合気道を始めたにゃん♪-aikido-

お稽古メモを中心に合気道と武道の思ったことなど、女性目線の合気道はてなブログ

鬼の冠~武田惣角伝~感想

「鬼の冠」読み終わった。

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---以下『』内は引用---
●『古事記に手乞として伝わっている秘法が、合気だ。  合気は基本として、両手を活用鍛錬するのだが、奥義に達すれば、全身が合気そのものとなり、身体全体の動きが常に合気投げの構えとなる。  そうなれば、いついかなる敵に掛かられても、即座に対応できる。  合気の技について、言葉では説明出来ない。  合気は師匠の直接指導で稽古鍛錬の結果、肌身にふれた感覚によってのみ理解できるものだ。  文章はいってみれば瓦礫にひとしい。  奥義を、頭で知ろうとしても、真実をつかめない。  肌に触れてはじめて感得できるもので、心から心へ伝わるものだ。』
師匠や仲間が信頼できなかったら、それは肌身にふれた感覚で相手に伝わるわけで、だからこそ師匠選び、道場選びって本当に大事なんだなと思った。そういえば、小野派一刀流でも師範の合気道7段の先生が似たような事を言ってた。

●『合気というのは、相手の力を抜き、抵抗を無にしてやる技だよ。合気の呼吸というのは、自分で体得しないかぎり、口でいって伝授できるものではないんだ。』
全身が合気になるとは、空気と同化するような存在なわけで、よく夫婦は空気のような存在というけど、それもやっぱり夫婦生活がうまく回っている人たちに限ってるし、うちの両親でいえば、まさに「あ、うん」の呼吸してるかもw
他人によく仏様みたいと言われるうちの父は生まれてから一度も怒ったことのない人で、娘の私ですら父の抽象度の高さには感服しているわけだけど、昔、母が父にお小言を言っても空気のように抵抗がないから「ケンカする気も失せる」って言ってたなぁwwケンカしたくてもケンカにならないってwww

相手の力を抜いて抵抗を無にする…。反日感情を持ってる国に対して日本はいままでは合気をしてたと思う。けど戦後の精神面における後遺症を持った人の自己評価の低さや帰化人が増えたことで、名ばかり日本人が増えて合気のバランスが今崩れ去ろうとしているようにみえる。
民度が低い国から見たら嫉妬、やっかみの対象になるのは仕方ないにしても、民度の低い人をまともに相手にする人が増えたのは、核家族化やウーマンリブ化によって合気の継承がうまくできなくなってきたからかも。世界で類をみない程の民度の高さを誇る日本、大震災のときにもその事が証明されたわけだけど、合気柔術合気道が普及すれば日本の民度をこれ以上下げる事は防げると思う。というか防ぐだけじゃなくて上げないと。戦争を阻止する意味でも。

『さぁ、それはきみたちの努力しだいだろう。武芸はすべて素質だからな。素質のある者は、じきに呼吸を会得し、ない者はいつまでも会得できないよ。』
映画マトリックスでモーフィスがネオに「速く動こうと考えるな、速いと知れ」と言ってるのと同じだよね。つまり、誰でも会得できるわけだけど、己を知らない者はいつまでも会得できないよって事だと思う。

呼吸とは…
●『天地の息と自分の息はおなじものだ。敵をわが心のうちに抱きこみ、自分が天地よりうけたところの道に、敵を導くということかな。』
塩田剛三の「自分を殺そうとしに来た敵と友達になることさ」っていう名言と内容同じだと思った。


合気について、今では科学で解明された時代になってしまったけど、まだそんな科学が発達してない時代において合気を理解していたとは…。

今の科学の功績は武田惣角のように、こうした人が科学のゴールとして神の領域を体験し、それを後世に向けて語り継いだ人たちの賜物だと思う。

言葉では説明できなかったとしても数学という宇宙言語では語れるということなんだろうなぁ。

「気」という非言語を体感として感じながら自由自在に操れる世界…それは宇宙と一体になること…本当に素晴らしい世界だなと思います。

この本を読んで、少し合気への理解が深まったように思いましたとさ。

 

鬼の冠――武田惣角伝 (双葉文庫)

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鬼の冠 (新潮文庫)

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